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WORKS03

ワン・オフという、大らかさ。

ワン・オフという、大らかさ。
  • 建築費:2,200万円(設計料込)
  • 延べ床面積:117.56㎡(35.56坪)
  • 広島県安佐北区

無駄のない空間に、シャープな感性。確かにバッチリきまったスタイルの家はカッコいい。
だけど、住まいを家族の器として考えるならどうだろう。隙のなさ過ぎる家は、子どもが描いた絵すら飾りにくいなんて話も聞く。せっかくの作品が、リビングでなく子ども部屋にある。それってすごく残念な気がする。
ならば、八重製材所はあえてラフなスタイルを提案します。カッコいいもの、キュートなもの、何でも許容してくれる懐の深さ。鑑賞するのではなく、“住むを楽しむ”ための家。でも、意外と難しい。造り込みが甘いと、それはラフでなく、雑。
子どもたちの創造力に負けない、ワン・オフ(一度限りの製造)の見せどころです。

  • あえて仕上げを省いたラフな空間 「“未完成だから面白い”ってホントなんですね」。Kさんが未完成と語るのは、住まいに残された余白。
    合板や下地材がむき出しになった壁や天井、その上を走る露出した電気配線など、あえて仕上げを省いたラフな空間は、ある種不完全。自分たちでアレンジしていく楽しみがある。
    「ホームシアターの配線も簡単で、スピーカーの増設もすぐにできるんですよ」とKさん。すでに手を加えた部分や、これからの構想を語ってくれるKさんの顔はとても楽しそうだ。
  • ダイニング横の壁には黒板塗料 家族が集うダイニング横の壁には黒板塗料が塗られている。まさにこの家自体が、子どもたちの成長を受け止めるキャンバスだ。
    少々汚したって、傷つけたって、それが味になるのがラフスタイルの良さ。
    ラフの家を一番楽しんでいるのは子どもたちかもしれない。

1F

  • ラフの包容力 夫はカッコいい家、妻はかわいらしい家が好みだったというKさん。どちらのテイストも馴染んでおり、ラフの包容力を感じさせてくれる。
  • フォトジェニックな住まい どこを切り 取っても画になる、フォトジェニックな住まいだ。
  • 鏡に映るレンガの壁 鏡に映るレンガの壁は、「三匹の子豚」を読んだ子どものリクエスト。なんだか打合せも楽しそう。
  • 八重製材所では、TVラックなどもオーダーで製作可能 八重製材所では、TVラックなどもオーダーで製作可能。住まいにぴったりのデザインで提案してくれる。その他、ダイニングテーブルなどもオリジナル で製作できる。
  • シューズクロークの扉にも黒板塗料 シューズクロークの扉にも黒板塗料。ゆくゆくは家族の伝言板になるかも。
  • 壁は下地材に直接塗装を施したラフなテイスト 壁は下地材に直接塗装を施したラフなテイスト。いろ んなものが飾れるので子どもたちも大喜び。
  • タタミの空間 ラフな仕上げの壁や天井でも、シンプルだからタタミの空間も予想以上に違和感なし。

2F

  • 開放的な吹き抜け 開放的な吹き抜けもこの家の特徴のひとつ。シンプルな空間を基調としながらも、しっかりとした梁や柱などの構造材そのものがアクセントになっている。
  • リビング階段に座る子どもたち リビング階段に座る子どもたち。いろんなところに居場所がある楽しい家だ。通常、階段手すりは斜めのラインだけで構成されるが、水平の部分を設け、体を支えるのにちょうどよいように設計されている。
  • 子ども部屋 子ども部屋は、ベッドにもなるロフトと机が合体したものが造作されていた。床は素足にもやさしいパインの無垢材。子どもたちの創造力を伸ばしてくれそうな遊び場でもある。

EXTERIOR

  • 玄関
  • 建物外観

ラフスタイルの一つの象徴といってもいい倉庫のような外観。
既成概念に縛られない自由さと、何でも受け止めてくれる包容力がこの家の本質であり、この姿に表現されている。

見た目はとんがってるけど、中身は礼儀正しく紳士的

合板がむき出しになった天井、下地材に塗料を塗っただけの壁、露出した電気配線、地金の鈍い光りを放つ金属。
一見すると超個性的な意匠だけど、間取りは至ってノーマル。むしろ動線や収納などの使い勝手や、暮らし心地の高さが施主には高評価だ。
老舗工務店が生み出す伝統と革新のラフスタイルは、そんな見た目と中身のギャップも魅力の一つかもしれない。

間取り図
  • CHECK POINT 1

    ミニマルで美しい2つの洗面台
    ミニマルで美しい2つの洗面台
    家族構成を考慮して、2つの洗面台を用意。ミラーも独立させることで、リズミカルで軽やかな印象に仕上げてある。配管のラインまでオブジェのように見えるのはラフスタイルのマジックだ。
  • CHECK POINT 2

    アバンギャルドなキッチン
    様々な要素がミックスされたアバンギャルドなキッチン
    モルタル床と業務用厨房のクールな表情のキッチンに、やさしい色味のタイルが組み合わさることでキュートさもプラス。ダイニング側にある、ウッドとアイアンのコンビネーションが冴えるカウンターやボトルラックもスマートで、居心地の良さを感じる。
  • CHECK POINT 3

    プライベートシアター
    観覧席も用意されたプライベートシアター
    通常よりも勾配が緩やかな階段は、K邸のためにワンオフで造られたもの。子どもの友達も呼んで、大きなスクリーンで映画を見るときに座席になるように依頼されたそうだ。
  • CHECK POINT 4

    吹き抜けに浮かぶ書斎コーナー
    吹き抜けに浮かぶ書斎コーナー
    吹き抜けの一部を利用してつくられた書斎。開放的でありながらも、柱を上手くアクセントにして秘密基地っぽく仕上げてある。孤立しない距離感もちょうどいい。
  • CHECK POINT 5

    シンプルで温かみのあるベッドルーム
    シンプルで温かみのあるベッドルーム
    極力シンプルな空間に設えられた寝室。ともすれば殺風景になりがちだが、ロフト部分の木が温もりを添えている。高窓にして周囲からの視線をできるだけカット。住み心地にも配慮がなされる。
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